Column_01-05 of アラスサッカーセンター緑山スクール

コラム


[ゲーム慣れ] 創刊号!

2006-5-1

アラス.コラム vol.01

水泳にも「水慣れ」があるように、サッカーにも「ボール慣れ」があります。でも、「ゲーム慣れ」についてはほとんど語られていないような気がします。例えば久しぶりの試合だったりすると「ゲーム感覚がまだも戻ってないなぁ。」などと使うことはあっても「ゲームそのものに慣れてくる」といった認識は少ないと思います。

 今の少年のサッカーに一番足りないのは「ゲーム慣れ」。つまりチカラを抜くコトです。

みんないつでも力んでしまい全力で試合をしています。発足当時のJリーグもそんな印象を受けました。ところがアンリやロナウジーニョ、バッジオやデルピエロなどはどうでしょう。無駄な力みは全く感じません。ゲームに慣れているから。ボールを追いかけDFに囲まれるのは大変なコトです。周りもどんどん観えなくなってしまいます。つまり、スキーで制動できずにすべっているようなような感覚。「怖くて止まる自信」がないから力むし後傾してしまいます。スピードが上がればあがるほど周りも観えなくなる・・・だからさらに暴走してしまう悪循環。サッカーでも同じコト。ゲーム中でチカラを抜くにはいかに「ボールを奪われない技術を身につける。」「相手を突破する技術を身につける。」「ゴールを決める技術を身につける。」「スピードをコントロールできる技術を身につける。」しかも動きながら周りを観ながらできるコトが重要です。その技術が「自信」となり初めてチカラが抜けて力を発揮できるようになる。

それが「ゲームに慣れる」ということだと感じています。

少年のサッカーで「ゲーム慣れ」が訪れる頃、サッカー日本代表もワールドカップでトップ10入りしているのかもしれません。

ページトップへ

[守備の罠]

2006-5-25

アラス.コラム vol.02

守備の話です。オフサイドトラップという言葉があります。少年の育成でオフサイドトラップは必要ない。という言葉には共感できます。なぜならむしろ危険な状況からボールを奪い返すトレーニングを、オフサイドの判定により奪ってしまうから。
「トラップ」という言葉はサッカーではボールを受けるときのワンタッチ目を指す言葉です。その昔、鳥を捕まえるのに使っていたカゴとつっかえ棒の罠に似ている由来です。・・・他にサッカーにおいて「トラップ(罠)」はないのでしょうか。
サッカーの攻撃において「狙い」はまずゴールであり次にはDFの裏です。攻撃を経験したことのある方もしくは選手なら攻撃するときにまず何を狙いますか。DFや観客の気づいていないところに「狙いすましたプレー」をする。DFはやられてしまい観客は「美しいパス」、「美しいゴール」にびっくりして一喜一憂する。ロナウジーニョなんか見ていてほんとに楽しいですよね。まさにサッカーの醍醐味です。
発想をさかさまにしてみれば「守備の狙い」が見えてきます。相手の攻撃に対する「守備の罠」があってもいいと思います。わざとパスコ-スを空けられて出したボールをインターセプトされたら相手はいやでしょうね。
少年のサッカーでは攻撃の際にフェイントで相手の逆をつくプレーはあたりまえ。

小さいころから守備の狙いを持ってプレーする・・・。

日本のワンボランチ(アンカー)、センターバックの出現には、小さい頃からの守備の才能の発掘...そんな課題が見えてきます。

ページトップへ

[少年サッカー世界基準ゲーム]

2006-6-1

アラス.コラム vol.03

2004年夏、アルゼンチンの強豪ボカジュニアーズ・ジュニアとワールドジュニアチャレンジ2004にて対戦しました。ボカの選手。カラダはまるで中学2年生。アップをしている様子を見ていると「なんだ、そんなにテクニックもないしスピードもないな....」と薄い印象。

いざ、キックオフ。選手たちはボールを触らせてもらえません。玉際の競り合いはすべて選手がひっくり返されてしまいます。

「なんだコレは...」暫く鳥肌がおさまりませんでした。

試合後、なんどもなんども.... いいえ何日も何日もそのゲームのVTRを見返していました。ある日ふとあることに気づきました。

「選手がみんなサッカーを知っているな。」

なにやら抽象的ないいまわしですが・・・
・ボールを失わないボディーコンタクト。(カラダの当て方)
・読まれたらそれはやらない。
・わざと空けておいてソコをつく。(攻守ともに)
・ボールを動かすタイミング。(DFライン以外なるべくひきつけてから離す)
・サポートは4箇所もある。(ダイヤモンド+1)
・ミドルパスのキックの質。(浮かさないし、次の選手がプレーに有利なボールの回転をかける)
・相手スローインからのボールの奪い方。
・むやみにスピードアップしてしまいボールを次の選手に奪われるようなプレーは選択しない。

そんな選手ばかりの小学生。なんともいやらしい限りです。

なんじゃこりゃ。と読んでいる方も疑いたくなるようなコトですが、地球の裏側では現実存在しているのです。情けない話ですが、スポーツで敗戦して初めて「体感できたコトが嬉しい」と感じてしまった記念すべきゲームとなってしまいました。そんな中、日本の選手にも一人だけそのゲーム中に進化を見せる選手がいました。
前半は体格の劣る相手に飛ばされ続けていたのですが 「いつ・どこにカラダを当ててくるのか。」というコトをゲーム中に学んだのか、後半はただひとりボール際は負けなくなりました。

その選手はだれよりも小さい頃から負けん気が強く、低学年の試合でも負けると監督も声をかけられないくらい悔しがる子でした。2005年ソウルで行われたU-13世界大会では決勝戦にて2得点。世界基準のゲームで通用していたと高い評価受け、2011年現在、オランダユトレヒトにてプロ選手として頑張っています。
さらなる活躍を期待しています。

コレはただの1試合からの一例にすぎません。「子供のサッカー基準」はいったいドコにあるのでしょうか。日本のたくさんの子供たちが「世界基準ゲームをカラダで実感する。」コトができる環境....そんな日本の子供たちを想像すると本当にワクワクしてしまいます。

ページトップへ

[タイミング80%+運20%=ゲーム120%!]

2006-6-3

アラス.コラム vol.04

[ドイツワールドカップ開幕記念号]

「サッカー」とはいったいどんなスポーツなのでしょうか。ご存知のとおり、試合終了のホイッスルが鳴ったときに相手チームよりも1点多くゴールを取っていればそのチームの勝ち。同点のときはいくら内容がよいからといって判定勝ち....はありません。とっても単純なゲームです。でもその単純さの中に「ボールを足で扱い」「チームでプレーする」という難しさと面白さをプレーする側に与えています。ボールを足で扱うことは、遊びの中で身につけるのが一番。一輪車と同じで小さい頃から慣れてしまえば、まるで手で箸を扱うように思うようにカラダのあちこちでボールをあつかえるようになります。(もちろん大人になってからでも多少時間はかかりますが大丈夫。)

では、いったい何が一番難しいのでしょうか....

「タイミング」

まずは・・・

キック

浮いているボールをイメージしてみてください。早く蹴りすぎると狙いよりはるか上に、遅いとボールをミートするコトができません。

仲間とのパス交換

ボールを出すプレーヤーのックとボールを受けるプレーヤーの動きとが合っていなければパスはつながりません。

ボールを奪う守備

相手のボールを奪いにいくとき、いつ飛び出したらボールを奪うことができるのでしょうか。インターセプトできない場合は、飛び出した後いつ足を地面にしっかりとつけて対応すればいいのでしょうか。また、マークをする際、最初からくっつきすぎていてはすぐに逃げられてしまいます。いつくっつけばいいのでしょう。

状況判断

ボールはもちろんそれ以外見なくてはいけないモノは、ゴールの位置、相手プレーヤーの位置、空いているスペース、味方プレーヤーの位置....

あーたくさんで、なんて大変なスポーツなんだ!

ボールを受けた後に顔を上げるのと、ボールから目を一瞬離して確認してからボールを受けるのとでは次のプレーの質が変わってきます。いつ見ればいいのでしょうか。

ゲーム中の得点シーン

W杯予選3戦目の日本代表vsブラジル代表戦。日本代表が格上のブラジル代表から早い時間帯に得点をするようなコトがあればゲームは難しいいモノとなるでしょう。なぜならゲームの頭から相手を本気にしてしまうからです。冒頭で書いているとおり、サッカーはゲーム終了時に相手チームよりも1点多く取っていればいいのです。だからといってけして手を抜いてプレーして欲しいわけではありません。前半は0-0。後半も失点をせずにゲームがすすみ、後半半ば過ぎに攻めに出て点を取る。うまくいけば王者ブラジル代表は負けてはいけない日本代表という相手、そして残り時間がプレッシャーとなり、精神的なあせりが出るでしょう。日本としてはそれが狙いめです。ドイツ代表とのエキジビジョンマッチは理想的なゲーム運びだったと感じました。「勝てる!」。ドキドキして見ていました。不運にも2得点を挙げた高原が、高さのドイツに対し、してはいけない「守備ゾーン・サイドエリアでのファール」。いやな予感とともに1点を返されました。2-0から2-1となるゲームでは、1点差に追いついたチームが精神的優位に立つのが一般的です。ジーコ監督も、あのファールとそのセットプレーに対する守備以外はきっとゲームプランどおり、いやそれ以上であったのでは・・・と想像しています。

いやー、私世代の人間からすると、いくらエキジビジョンマッチとはいえ、アウェーであのゲルマン魂ドイツ代表に勝つコトができたら日本サッカーに対する意識改革にきっとなったのにー・・・と今でも悔しがっています。

あの高原のファール。まさに運がありませんでした。積極的にボールを奪おうと頑張ったいいプレーのはずだったのに、狙っていない足へタックルが入ってしまいました。

 さて、今回の「ドイツワールドカップ杯開幕記念号」。サッカーは「タイミングのスポーツ」であると感じています。勝つにためはサッカーの神様が微笑んでくれる「運」も必要。ゴールのバーに当たって入るシュートもあれば外れるシュートもあるのですから....

「タイミング80%+運20%=ゲーム120%!」

 え、20%多い?

もちろんそれは「見ているヒトに感動をあたえてくれる」。....というコト。
いよいよ来週開幕ですね。

ページトップへ

[パスとキックの違い]

2006-6-11

アラス.コラム vol.05

昨年バルセロナが来日し、Jリーグの数チームと対戦しました。
デコやモッタ、ファン・ブロンクホルストから繰り出される美しいパスに改めて「サッカーはボールを蹴るスポーツ。」ということを目の当たりに感じさせられました。対する日本は代表クラスの選手でも平気でラインを割ってしまうロングパス・・・。とっても辛口になってしまうのですが、ゴルフでいうと「シングルプレーヤ」と「アマチュア」くらいの違いがあるのではないでしょうか。テレビでゴルフを見ていると、ラウンド中キャディさんと相談しながら状況に合わせて「クラブの番手」を選択するシーンをよく見かけます。2ndショットならフェアウェイウッドで転がすのか、アイアンで止めるのか。Tショットでさえドライバーにするのかアイアンにするのか慎重に選びますよね。ゴルフコースのラウンドは打ちっぱなしの練習場のようにうまくいきません。(誤解のないように前置きしますが私はゴルフがけして得意ではありません!)実際のコースにはアンジュレーション、草、木、雨、風、バンカー、池、グリーン上のカップ位置など状況が様々です。

サッカーのゲームを想像してみてください。相手DFのプレッシャーを受けながら一瞬でキックの種類を選択し技術を発揮しなくてはなりません。

味方へのパスであれば受けるプレーヤが次のプレーを選択しやすい球質が要求されます。シュート(ゴールへのパス)であれば強いシュートでGKを外すのか、コースを狙ってそうするのかなどが要求されます。

ヨーロッパや南米の選手は状況に合わせた「キックのクラブ(番手)」を持ち合わせているように感じます。

もちろん日本の選手にもそのような素晴らしい技術を持った選手はたくさんいます。そのような選手はゲームでも状況にあった「キック」を「パス」として表現することができます。

ゲームの状況に合わせて「クラブの番手」を選択し正確に技術を発揮することができないコトは、今の日本の「得点力不足」にもつながるコトと感じています。

昨今、少年のサッカーは「蹴って追いかけるサッカー」ではなく「ドリブルやフェイントなどテクニックの高い選手」を育てようという風潮が一般的です。

はたしてそれだけでいいのでしょうか

確かに判断の伴わない「蹴って追いかけるサッカー」はおもしろくありません。しかしながら「キック」を「パス」として生かすコトへの重要性と、蹴ることをおろそかにする風潮に危機感を感じています。

小さい子....特に幼稚園児は「ボールを蹴ること。ゴールにシュートすること。」が大好きです。

蹴ることが大好きな小さい頃ころから遊びの中で「キック」に慣れ、自然にゲームで生かせる「パス」が生まれ、「早い美しい攻撃サッカー+ゴール(得点力)」が実現すると......。

予選リーグの始まったW杯2006ドイツ大会。各国の「キック」と「パス」に注目です。

ページトップへ

ページの先頭へ


コラム Column

KBC_logo.ai2013_HP_G.jpg
shop-logo.png

ページの先頭へ